海外マルファン情報

米国マルファン症候群患者団体The Marfan Foundationからの情報を中心に、マルファン症候群や関連疾患についての海外情報を翻訳して発信します。

きっとあなたを忘れない―グリーフとの新たな向き合い方

2018年4月25日

Dominga Noe

 

私はすごくポジティブな人間―特にマルファン症候群に関してはそうありたいと思っています。この考えにたどり着くまでには長い時間がかかりました。毎日が幸せというわけではありません。でもトータルで見れば、マルファン症候群は私の人生にプラスになっています。つらい日もあります。関節の痛みや偏頭痛、ベッドから出られない時もあります。私達マルファン患者には、身体的に苦しい日々があります。それでも前に進まなければなりません。だってそれが私達の人生なのだから。

 

でも最近、マルファン症候群では避けて通れないもう一つの苦しみと向き合わざるを得なくなりました。2018年3月27日、親友のミラン・ラゾシックが、マルファン症候群が原因と思われる心不全で亡くなりました。ミランは自分がマルファンであることを自覚しており、治療を受けていました。The Marfan Foundation が主催する年次総会の常連だった彼は、しっかりと自己管理を行っていましたし、「守るべきルール」にも従っていました。それでも彼は旅立ってしまったのです。

 

ミランの死と共に訪れたもの、それは大切な人を失った時に抱くありふれた疑問の数々でした―「どうしてミランだったの?」「何があったの?」そして、亡くなった友人と自分の病気が同じであれば、もう一つの疑問が湧いてきます―「次は私?」

 

残念なことに、私を含めマルファン症候群のような病気を抱える友人たちは、このような疑問やそれと共に湧き上がる感情を嫌というほど経験しています。非常に幼い頃から寿命について考えざるを得ないのです。私達はオールマイティではない、早い時期にそう学ぶのです。通院や投薬、手術に心臓の検査、身体的な制限―まだまだ続きます。マルファン症候群や関連疾患は大きな負担を強いてきます。身体だけではなく、精神にも。そのことを認識しておくことが重要なのです。

 

健康でいるために乗り越えなければならない困難もあります。鬱や不安障害、PTSDなどはマルファン患者や関連疾患と共に生きる上で遭遇する精神疾患のほんの一部です。「楽じゃない」どころではないのです。

 

こうした感情を思い返す時、「私は独りじゃない」と自分自身に言い聞かせます。ミランと出会った総会で、自分と同じ感情と疑問を抱き、友人の死を嘆き悲しむ大勢の素晴らしい人々との出会いがありました。「友人の死を乗り越えられるの?」―「もちろん」「独りきりで?」―「まさか」痛みがあるなら誰かに相談する。もっと助けが必要なら声を上げる。身体と同じくらい、心を大切にしてほしい。

 

私にとって最も効果があったのはカウンセラーに相談することでした。カウンセリングと、カウンセリングを超える治療法である「マルファミリー」との交流を両輪として、私は前に進み続けています。皆さんも自分に合った方法を見つけてください。年次総会、メンターシッププログラム、ファミリーキャンプに Connect、The Marfan Foundation の Facebook など、自分にあった「治療」や支援を得られる機会はまだまだあります。自分が幸せを感じられるもの、それが正しい答えです。でも覚えておいてください。あなたがどのような選択をしようとも、決して独りではないということを。それがミランが教えてくれたこと、そして私はその言葉を胸に刻み続けていくのです。

 

Dominga Noeさんについて

カリフォルニア州出身。9歳でマルファン症候群の診断を受ける。The Marfan Foundation ニューヨーク支部で制作活動に従事。長年にわたりTMFのボランティアを勤める。初のマルファン症候群スタッフ。

 

出典:

blog.marfan.org

 

The Marfan Foundation did not participate in the translation of these materials and does not in any way endorse them. If you are interested in this topic, please refer to our website, Marfan.org, for materials approved by our Professional Advisory Board.

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