海外マルファン情報

米国マルファン症候群患者団体The Marfan Foundationからの情報を中心に、マルファン症候群や関連疾患についての海外情報を翻訳して発信します。

手術からの生還

2020年10月22日

Elijah Williams

 

皆さん、これが私です。上半身の傷跡はマルファン症候群との戦いを繰り広げてきた栄光の証です。

 

25歳という年齢で幾度となく手術を経験してきました。

 

Fyfe医師には子供の頃から常に心臓と大動脈の太さを診てもらってきました。17歳となった2012年の7月、人生初の開胸手術を受けることになりました。

 

高校3年生になって間もない時期で、術後はつらく苦しい状況が続きました。リュックサックを背負うことができない、片手で10ポンド(約4.5kg)以上のものは持てない、うつ伏せで眠れない ―― その時に見た悪夢を忘れることはできません。それでも、時が全てを癒してくれる。何事もそうなっているのです。

 

2018年11月29日、人生観が一変した日です。以前から胸の痛みはあったものの、2日間気にかけずに過ごし、3日目に緊急処置室へと自力でたどり着きました。

 

緊急処置室に歩いて入った私は、最速のMRI検査を受けました。病室に入ってきた医師に手術を告げられた時は拒否できないことはわかっていました。

 

翌朝、人生最大の外科手術を受けることになりました。腹部大動脈瘤の修復手術です。この手術でほぼ別人に生まれ変わることになったわけですが、ひとつだけ皆さんにお伝えできることがあります。それは、家族や友人、ペットのワンちゃんに手術後の生活がどうなるかを説明しておくということです。きっと助けになってくれます。

 

医師からは、もう1日遅かったら死んでいたと言われました。今生きていられるのは神様のおかげです。

 

3度目の手術は去年の今頃でした。循環器内科の先生から、ICD(植込み型除細動器)を埋め込まなければならないと言われたのです。機器や機能について聞かされたのはこれが初めてでした。最初は戸惑いました。一週間くらい悩んだと思います。こんな機器があったら父もまだ生きていられたのかな、などと考えたりもしました。

 

父の件もあったので手術には同意しましたが、今でもこの判断がよかったとは思っていません。また手術を受けることになり、傷跡が増え、術後も全く別の経過をたどることになったのですから。困難をくぐり抜け、自分に起こった幸運を数え上げる ―― 人生はこの繰り返しです。

 

最後の手術は2020年の1月でした。願わくばこれが最後の手術になればいいと思っていました。何事もなく終わることを考えて、年1回のCT検査を受けました。ところが2週間後、電話がかかってきたのです。手術が必要とのことでした ―― またかよ。

 

下腹部の大動脈に瘤ができていました。それからの5ヶ間は毎日「今日は悪いことが起きるんじゃないか」と考えながら過ごしました。

 

今は体調に問題ありません。運動も再開し、体重も戻ってきました。頑張って続けていきたいと思います。

 

メンタルは元通りというわけにはいきません。最後の手術による影響が大きく、この先どのくらいこの状態が続くのかわかりません。精神と肉体とでは回復の程度が全く違うということに気が付かされました。毎朝体調が戻ることを祈りながら、いつも通りの日々を過ごしています。

 

こうした経験を話すようになってから、たくさんの人達が支援の手を差し伸べてくれたり、励ましの言葉をかけてくれるようになりました。皆さんにこの場を借りてお礼を伝えたいと思います。これまでの困難を乗り越える力を与えてくれてありがとう。そして、これから経験するであろう苦難に立ち向かう勇気を与えてくれてありがとう。

 

私の経験を皆さんと共有し、約5,000人に1人が発症するマルファン症候群のことを広く知ってもらいたいと思います。皆さんは仲間です。

 

Elijah Williams (@publicenemy1_)さんについて:

ダラス出身。初の心臓手術は17歳。その後8年間で4度の心臓手術を受ける。

 

出典:

marfan.org

 

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