海外マルファン情報

米国マルファン症候群患者団体The Marfan Foundationからの情報を中心に、マルファン症候群や関連疾患についての海外情報を翻訳して発信します。

COVID-19 最新情報(2022/04/22)


COVID-19 Q & A (April 2022)

 

 

はじめに

 

Kim Eagleと申します。The Marfan Foundationの専門委員会のメンバーであり、GenTAC allianceの会長を務めています。この動画では、COVID-19についての最新情報をお伝えします。

 

BA.2 変異株について

 

最新の変異種であるBA.2については多くの質問をいただいています。BA.2は現在米国で広がりを見せており、この変異種による感染率は2~3倍になると予想されています。ですが、全体的にデルタ株ほど致死率は高くないとされていること、そして、マルファン関連疾患の多くの方がワクチン接種を済ませ、重症化や入院に至る可能性は低いと考えられることは、朗報と言えます。

 

BA.2 変異株の影響

 

MFS(マルファン症候群)、LDS(ロイス・ディーツ症候群)、vEDS(血管型エーラス・ダンロス症候群)での、COVID感染による重症化リスクに関する質問も多く寄せられています。重症化リスクが高くなることはないという回答になります。ただし、それらの基礎疾患による合併症がある場合は除きます。例えば、弁の逆流や心筋症、肺の疾患など、心臓や肺の機能が低下するような病気がある場合には、重症化リスクは高まります。しかし、一般に、我々が診察している遺伝性大動脈疾患の患者さんの場合、COVID-19やワクチンによる合併症リスクはそれほど高くなるということはないようです。

 

ワクチンについて

 

我々はまさに長年にわたる科学の恩恵を受け、COVID-19の感染拡大との戦いに向け、現在のワクチンの土台となる技術を開発してきました。MFS、LDS、vEDSといった遺伝性大動脈疾患の患者さんを対象とした研究では、ワクチンの安全性は高く、有効性も非常に高いことが示唆されています。これらの患者さんやご家族にとっては朗報といえます。

 

ワクチンの追加接種について

 

MFSやLDS、vEDS、家族性大動脈疾患などの多くの患者さんから、ワクチンの追加接種についての質問もいただいています。現在の推奨事項では、追加接種についてはCDCのガイドラインに従うとなっています。現状65歳以上の方に関しては、最初の接種から4ヶ月以上経過した時点でのブースター接種が推奨されており、免役抑制中の臓器移植患者さんを含む、より重度のな基礎疾患の方がその次となっています。今後どれくらいの頻度で追加接種が必要となるかは不明であり、ワクチンが提供される形態も常に変化しているわけですが、CDCのガイドラインに従うことが推奨されます。

 

小児のワクチン接種について

 

多くのお子さんは、新型コロナウイルスに感染してもほとんど症状が出なかったり、無症状であったりしますが、所属するコミュニティでの感染拡大を防ぐ上で、ワクチン接種は重要と考えられます。お子さんが感染することで、高リスクのご両親や祖父母へと感染が広がることがあり、その意味でもお子さんへのワクチン接種は大切です。これまでのところ、お子さんへのワクチン接種は、非常に安全性が高く、有効性も大変高いことがわかっています。今朝のことですが、Moderna社が生後6ヶ月から6歳のお子さんにワクチンを接種するにあたって、緊急時使用許可申請を進めているというニュースを耳にし、非常に興奮しました。申請が通るようであれば、大きな前進といえるでしょう。

 

小児のワクチン接種に関する研究からわかること

 

お子さんのワクチン接種に関する質問は常に目にしています。現状、6歳未満のお子さんではワクチン接種の適応とはなりません。まさに今日(2022/04/27)先ほどのニュースがありましたので、承認されるようであれば、より年齢の低いお子さんにも、ワクチン接種を積極的に進めていきたいと考えています。お子さんへのワクチン接種は我々のコミュニティにおいて大きな影響をもたらします。感染拡大を減らし、一部のお子さんでは、重篤な病態に至るリスクを低下させることができるからです。

 

マルファン関連疾患に対するCOVID-19の影響

 

先週、ある患者さんから「遺伝性大動脈疾患の患者さんに対するCOVID-19やワクチンの影響についての新しい研究はあるか」という質問をされました。新型コロナウイルスが発見された当初は、炎症によって大動脈の壁が急激に拡張したり、解離を起こしたりといったことがあるのではないかと心配しましたし、そうしたリスクが高まる可能性があるとの話を度々耳にしたこともあります。ですが、そうした事象とCOVID-19との関連を明確に示す証拠はなく、新型コロナウイルスが重大なリスク因子となるとは考えていません。幸いなことに、遺伝性大動脈疾患の患者さんは、新型コロナウイルス感染後とワクチン接種後の両方の経過において良好な結果を示していると思われます。

 

The Marfan Foundation did not participate in the translation of these materials and does not in any way endorse them. If you are interested in this topic, please refer to our website, Marfan.org, for materials approved by our Professional Advisory Board.

The Marfan Foundation は、当翻訳には関与しておらず、翻訳内容に関してはいかなる承認も行っておりません。このトピックに興味をお持ちの方は、Marfan.org にアクセスし、当協会の専門家から成る諮問委員会が承認した内容をご参照ください。