海外マルファン情報

米国マルファン症候群患者団体The Marfan Foundationからの情報を中心に、マルファン症候群や関連疾患についての海外情報を翻訳して発信します。

大動脈手術を終えた皆さんからのアドバイス

 

はじめに

 

ロイス・ディーツ症候群の方々が歩む人生は十人十色であり、医療者や医療機関にまつわる経験も様々ですが、当事者から学ぶことには価値があります。

 

本資料の目的は、大動脈基部手術や大動脈以外の血管手術を受けたLDS患者の皆さんからのアドバイスをまとめ、今後心血管手術を受ける可能性のある皆さんの教育と啓発に役立てることです。

 

本資料の作成にあたり、ご協力いただいたLDSFのメンバーの皆さんに感謝申し上げます。

 

執刀医にどのような質問をしましたか?

 

  • 手術の成功率
  • 手術の死亡率
  • 手術から回復するまでの時間
  • 手術リスク
  • 術式
  • 術後、病院で回復するまでの時間
  • 退院後完全に元の生活ができるようになるまでの時間
  • 手術時間
  • 回復後、これまでの日常生活が送れるかどうか
  • 術前・術後の服薬について
  • 手術のリスクと手術をしないことのリスクについて
  • 執刀医の年間手術数
  • 休職期間
  • 胸骨の変形が手術に与える影響
  • 手術の種類
  • 術後の変化(食事等)
  • 自己弁を温存できるかどうか
  • 以前心臓手術を受けた時にできた瘢痕組織が今回の手術に影響するか
  • 再手術の可能性

 

手術に向けてどのような準備をしましたか?

 

  • 私は、メンタル面と身体面で手術の準備をしました。ウォーキングは安全な範囲で続けて、健康的な食事をし、休息を多くとるようにしました。そうすることで、体を強くし、手術に備えることができました。お祈りも継続しました。何度か心理カウンセリングも受けました。大好きなものと自分を大切に想ってくれる人たちに囲まれて過ごしました。家族や友人のサポートはとても大切です。毎日を楽しみ、座ったまま家に引きこもるようなことはしませんでした。泣いてしまうこともありましたが、感情を吐き出すためには大切なことです。できる限り普段通りの生活を心がけ、笑うようにしていました。
  • 看護師さんと話して、自分の病気や手術についてできる限り調べたよ。
  • お祈りした。
  • 心配だった。
  • 何もしなかった。
  • 「ハートパーティ」を開いて大好きな人たちと一緒に過ごしたよ。皆からの愛を手術室に持ち込みたかったからね。
  • 当時、自分が抱えていたことをきちんと整理したね。仕事とプライベートの両方だね。
  • 過去を振り返って、ゆったりとした気持ちでいたよ。
  • たくさん料理して冷凍庫で凍らせておいたよ。
  • 銀行口座の名義に母親を加えて、必要な時には、私の代わりに生活費を払ってもらえるようにしたわ。
  • 弁護士への委任状と医療関係書類の委任状を準備した。
  • 家の掃除をした。しばらく自由が利かなくなると思ったから。
  • 友人の家に行って、自分にとって彼らがどれほど大切かを長々と伝えた。
  • 友人やその家族に、術後すぐは食事を用意してくれるように頼んだ。
  • 回復期のことを考えて、着心地のいい洋服を買った。
  • 遺言書やアドバンスディレクティブ(患者などが判断能力を失った際に、自らにおこなわれる医療行為に対する意向を前もって示す書類)、金融関係書類などを更新しました。入院中に生活費の支払いなどが必要となった時に備えて家族にその旨伝えておきました。
  • ペットの世話をしてくれる人とメールを受信してくれる人を探した。
  • 退院して家で過ごす時のために家の中のものを新調した(シャワー用のイスやベッド用品など)
  • 友人や家族にお祈りしてもらえるように、手術のことを伝えた。
  • ウォーキングをして、瞑想を多くした。
  • 手術法について調べた。
  • ダイエットした。
  • ペディキュア、ヘアカット、etc.
  • できる限り健康的な生活をするようにして、自分のことは自分でできるようにした。
  • 最初の手術の時は、ずっとパニック状態だったけど、他に選択肢がないことがわかって落ち着いた。一か八か手術を受けるしかなかった。2回目の手術は待機手術だったから、落ち着いていられたし、何をすればいいのかがわかっていた。
  • できる限り情報を集めるようにした。
  • 手術の2日前には、大好きなジャンクフードを全部食べた。

 

手術前の検査などについて教えてください

 

  • 手術に向けては以下のような準備があり、手術の1ヶ月前~前日まで続きました。
    -心エコー検査
    -心電図
    -血液検査
    -胸部レントゲン
    -CT
    -循環器内科の受診
    -麻酔科の受診
    -術後の生活についてカウンセラーや手術助手と相談
  • 輸血用の自己血採血はしなかった。術前12時間は何も口にせず、手術前夜と手術当日の朝、すごい匂いのする特別な石けんのシャワーを浴びた。

 

-大動脈人工弁の種類はどのように決めましたか?

 

  • 手術回数を増やしたくないから機械弁にしよう、と安易に考えていたのですが、最終的には、執刀チームのお陰で自分の弁を温存することができました。
  • ワーファリンを飲みたくなかったので、生体弁にしたかったのですが、年齢のことがあり、医師からは反対されました。結局オーダーメイドのOn-C弁(On-X弁?)にしました。この弁だとワーファリンは不要で、生体弁よりもかなり長く持つそうです。一生長持ちしてほしいです。音がしますが、慣れると思いますし、自分がちゃんと生きていることを実感できます。
  • 損傷がかなり進む前に手術していたら、弁を温存できる可能性は95%だったと言われた。手術を遅らせると、温存できる可能性は下がると思う。
  • 手術前日の夜に執刀医から電話があり、どの弁がいいか訊かれた。弁については前にも話していたけど、その時には結論は出なかった。牛とか豚とかの弁だと10年したら取り替えないとダメだから機械弁にすることにした。結局、弁を温存してもらうことができたのでうれしかった。
  • 自己弁温存がいいけど、ダメなら置換するしかなかった。
  • 執刀医に任せた。
  • 選べなかった。自己弁温存になった。
  • 医師からは自己弁温存の方がいいと言われ、そのとおりにしてもらった。
  • 大動脈解離で緊急手術だった。若かったから機械弁になった。
  • 機械弁or生体弁を自分で選ぶことはできなかった。まだ36歳だったから、生体弁になって何度も手術を繰り返すことはしたくなかった。

 

手術や手術からの回復期について事前に知っておきたかったことはどのようなことですか?

 

  • 回復には時間がかかるということ。
  • ICUは本当に大変だった。麻酔で一週間苦しんだ。とにかくICUから一般病棟に移ることが目標だった。
  • 開胸手術の後は横になったらダメだということです。これまでの人生で最高に痛かったですね。回復には時間がかかるから、なんとか我慢して、身体が回復するまで十分に時間を取るしかありません。
  • 思ったより大変だと思う。食事はすごく大事。タンパク質とカロリーを十分に摂るようにすると全然違いますよ。
  • 術後数時間はじっと横になっていなければいけないということ。呼吸用の管が抜けるまでどのくらいかかるのかということ。ドレーン(お腹から出る管)のこと。リハビリのこと。
  • 一般的なことですが、回復において「普通に」起こることについてはあらかじめ知っておく必要があると思います。
    例えば、1) 気分の落ち込みや不安な気持ちは、大きな開胸手術には付き物だということ。このような状態に陥ってしまった時には驚きましたが、こうしたメンタル状態だけにはしっかりと心の準備ができることがわかりました。2) 不整脈などの術後の心臓合併症は普通に起こるということ。数日間、重い心房細動を経験しましたが、全く想定外でした。何これ?どうしたらいいの?という感じでした。
  • 痛み止めの使用限度を知りたかった。
  • ドレーンの管を抜いた後に跡が残るということを知りたかった。
  • ドレーンについて、どんな感じがするか知りたかった。痛くないんだけど、胸の中で何かが動き回っている感じがして気になった。呼吸の管が入った状態で起き上がるのが多分一番つらかった。痛みとか精神面はきちんと管理してもらえた。
  • 体幹やバランスのトレーニングをもっとしておけばよかったと思う。消化器系についても問題がない状態で手術を迎えたかった。回復に必要な時間とかの見通しが甘かった。
  • 激しい痛みとか傷あとのこととか、単純だけど、回復は時間がかかって大変だってことを知っておきたかった。脳がモヤモヤしたり、忘れっぽくなったり、記憶があいまいになるってこともそうだね。鬱っぽくなるってわかってたら、ちょっとのことで泣き出しちゃっても大丈夫だったかも。どんなことが起こるのかできるだけたくさん知っておきたかった。何かが起きてるんだけど何も準備できてなくて、理由も、普通なのかどうかもわからないって怖いじゃない?

 

入院中のことを教えてください

 

  • 生きた心地がしなかったよ。ICUは最悪だった。一般病棟に移る前の部屋もだけどね。
  • ICUはすごくストレスがたまる環境だった。じっとしていられなかったね。暑いし、うるさいし、明るすぎるし。身体に管が入っているときに気胸を起こしちゃってね。何かおかしいなって気づいたんだ。なんだか磔にされてるみたいで、ICUの外に出してもらうまでずっとそんな感じ。一般病棟は問題なかったけど、起き上がったり、シャワーとかは毎日誰かに手伝ってもらったよ。誰か親しい家族に付き添ってもらわなきゃダメだね。
  • 普通、術後は3~5日で退院できるはずなんだけど、僕の場合は両方の弁を置換して、おまけにワーファリンも始めたから14日間も病院にいたよ。ワーファリンの調整が大変だったんだ。
  • 問題とかはなかったよ。最初の日はあまり動けなかったから大変だったけど、日が経つに連れて回復していったよ。
  • 自分は自分のことは自分で決めたい人間。看護師さんは素晴らしかったし、してくれたことには感謝してるけど、自分の身体のことはわかっているから、回復の状況について知りたかった。入院は数日だった。早く起き上がって歩けば、それだけ回復は早くなる。もちろん、何か問題がある場合は別だけど。痛み止めとかの薬はちゃんともらうようにした。痛み止めは頼まないとくれないからね。痛みはちゃんと抑えないとゆっくり休めないよ。たくさん休むと回復はしやすくなる。日中はほとんど寝てたよ。面倒くさい患者かもしれないけど、回復のために自分ですべきことについては看護師さんの手を借りないんだ。いつも誰か応援してくれる人がいたしね。
  • 病院の看護師さんが素晴らしくて、もっとウォーキングしなさいとか食事量を増やしなさいとかいつも言ってくれた。必要な時には痛み止めをもらって飲んで、痛みをコントロールしてね。
  • 医者がいつ病室に来るかわからないのが嫌だったし、医者の卵をぞろぞろ引き連れて来るのも嫌だった。
  • ほとんど寝てた。
  • 大体問題はなかった。1) 術後ICUには30時間くらいで、CCUには7日いた(合計で8日間)。2) 妻に数日付き添ってもらった。家族が子どもの面倒を見てくれて、彼女の時間を作ってくれた。付き添いには感謝している。3) 看護師さんは我慢強くて、すごく助けてくれた。4) 食事を摂るのが大変だった。たぶんしょっちゅう吐気がして気分が悪かったりしたせいだと思う。5) 執刀医とか執刀助手とかが病室に来てくれる時間がまちまちで、どのくらい回復状況についても不定期にしか教えてもらえなかった。6) CCUではあまり眠れなかった。気分が悪かったのと、いつも機器の音が鳴っていたせいだと思う。
  • 最初の数日は記憶がはっきりとしない。2回の心臓手術を受けるのに10日、そこから退院まで数日。メンタル面の治療やサポートが必要だった。
  • 一番ショックだったのは、手術した夜に看護師が入ってきて無理やり立たされたこと!いきなりで全然準備できていなかったからショックだった。入院自体は問題なし。最初の夜は肺に水が溜まっていたから、呼吸ができなかった(すぐに回復したから大丈夫だったけど怖かった)。合併症はそれだけ。ICUには2日間いて、退院したのは8日後だった。
  • ICUからは24~48時間で出ることができて、出て24時間以内には歩いていた。カテーテルが入ったままトイレにいくのが多分一番面倒だと思う。
  • 全然眠れなくて、家族が夜も付き添ってくれた。
  • 最初の4日間はベッドから離れなかった。傷口のジュクジュクが止まらなくて、ガーゼを交換してもらっていた。その後は、病院にいるのがつらかった。
  • 入院中のケアは素晴らしかった。同じ場所で必要な処置が全てできたから。ナースステーションとCCUが直接つながっていて、CCUを出た後の一般病棟は廊下をまっすぐ進んだところだった。入院中はほとんど毎日何か問題が起こっていたけど、完璧に対処してもらっていたので、素晴らしいケアだと思った。

 

手術に関する情報はどこから得ましたか?

 

  • 最初の手術は2000年でした。手に入る情報は何もなくて気合で乗り切る感じでした。2回目は2012年で、もうインターネットで動画が見られるようになっていたんです。ネットのお陰で、術式についてきちんと理解できたんです。
  • インターネットで探した。
  • インターネット、病院の情報やパンフレットは使わずに、お医者さんにたくさん質問した。めちゃくちゃおっかないことを言われたこともあったし、心配しなくていいよって言われこともあった。
  • 執刀医が手術の写真付きの冊子を見せてくれて、それが役に立った。
  • 冊子とかインターネットは使わなかった。一番助けになったのは妻と執刀医だね。妻は僕の代わりにたくさん調べ物をしてくれた。仕事がきついせいで、僕にはほとんど時間がなかったからね。知識豊富で接しやすい外科医に相談できることに勝るものはないよ。
  • 経験者に訊くことが一番。
  • 手術までの一ヶ月間はネットでずっと調べていたと思う。何時間もかけて手術の傷あとの画像を探していたね。どんな風に見えるのか知りたかったから。あとは、手術から回復した人のブログをずっと読んでいたよ。一番つらかったのは、手術から一年以上経過した傷あとの画像を見た時と、若いのに(50歳以下)待機手術を受けなきゃならない人の投稿を見た時だよ。
  • 回復療法の冊子が役立ったと思う。
  • ネットとか病院の冊子はそんなに役に立たなかった。自分が信頼できる知り合いで、これまでに(自分と同じ)手術を受けた人とか医療者の人とか、単に私のことを知ってる人とかに話を訊くの一番だと思う。
  • インターネット、病院の冊子とかは全然使わなかった。メンタル疾患でつらい時期だったから、興味を持てなかった。
  • CCUのことがよくわかるスンバラシイ冊子を病院でもらって、すごく助かった。大動脈弁を置換する患者さん向けのウェブサイトを見つけたから、同じ術式の女の人とオンラインで連絡をとって、貴重なアドバイスをワンサカいただきますた。
  • 何も使わなかった。
  • ネット、冊子とか全部使った。

 

心臓リハビリを利用しましたか?効果はありましたか?

 

  • そんな話はされなかった。
  • 利用しなかった。
  • 役に立った。
  • 基本的にどんなリハビリも役に立つ。病院から言われたことはすべてやったけど、退院後はリハビリはしてない。
  • 満足できなかった。術後はすぐに家に戻ったから、リハビリは近くの病院で受けなきゃいけなくて、不便だった。しかも、私の手術のこととか病気のことは何も知らなかった。
  • 術後の回復期間だった8日間はリハビリを受けたけど、その後は何もなかった。病院では普通のウォーキングとか、肺活量を調べる機械とかを使った。役には立った。退院後も毎日のウォーキングをして、徐々に軽い運動を足していった。
  • やっていない。自分で歩いて自分でリハビリした。
  • 心リハを受けた。すごく効果があった。
  • 病院で理学療法を受けたけど、その後は何もなし。胸が痛かったから筋肉を付けたくて理学療法士に胸筋のトレーニングお願いしたんだけど、断られた。
  • 病院からもらった情報は、回復を最大限に高める上で役立った。
  • 心臓リハビリテーションは役に立ったよ。いつも楽しかったわけじゃないけど、サボることはしなかった。
  • 心臓リハビリに通ったのは4週間で、とんでもなく役に立ったんだけど、その理由の大半は、リハビリを受けるために家から出るきっかけになったから。回復中は母親が仕事に戻って、私は一人ぼっちでお留守番だったけど、毎日誰かは来ていた。もやが掛かった感じから抜け出すことは難しかった。リハビリのお陰で、最低限その日の曜日がわかるようになったし、家から出て、体を動かすきっかけにもなった。

 

自宅での回復の様子について教えてください

 

  • 順調だった
  • 大体問題なかった。
  • 問題なし。
  • 長くて時間のかかる道のりだった。
  • 最初の手術の時はすごく回復に時間がかかったけど、2回目の時はそうでもなかった。
  • トントン拍子で回復したけど、休まないとダメね。手術直後はどこに行っても具合が悪くなったから。
  • 誰かにいつも側にいてもらうことがベストだと思う。私には素晴らしい母親が付き添ってくれた。実家に戻ったり、母親が私の住んでいるところまで来てくれたりした。期間は2週間くらいだった。呼吸や運動とか指示されたことをしながら、できる限り休むようにした。自分のベッドで時間を過ごしたり、自分の服を着たり、シャワーを浴びたり、普通の食事ができたりするのが最高だった。普段の生活ができることは素晴らしいことよ。薬の記録も忘れずに!
  • すごく大変な時もあるから、できる限り皆の力を借りるようにした。
  • 家族とか友人と一緒に家にいるのっていいわよ。自立した生活をしなきゃいけないし、運動とか呼吸も言われたとおりにしなきゃいけないし。
  • ベイエリアで2ヶ月ぐらい過ごした。ベイエリアから離れたところに住んでいた共通の友人達が1週間くらい使わせてくれたからね。
  • 手術の後、実家で1、2週間過ごした。家族に甘えちゃだめだと思う。ちゃんと起き上がって自分のことは自分でしなくちゃいけない。だって、リハビリなんだから。何でもしてもらおうと思っちゃダメ。
  • 回復は順調だったけど、頑張るのは自分だってことを覚えておかないといけないよ。
  • 僕の場合は、家族とか友達がいたから家でも回復はできたよ。それに看護師さんも来てくれて、採血とか傷あとのチェックとかもしてくれたから、そんなに病院にもいかなくてよかったしね。その時期は誰かの助けがどうしても必要になる。シャワーを浴びるにしてもサポートが必要だったしね。(そういえば、シャワー室にシャワー用のイスが入るようにドアを取り外してもらいました)あとは、ソファーだね。僕には低すぎて座れなかったから、座ったり、寝たりする時のために新しいのを買いました。一日中一人で家にいる時には、ベッドから起き上がるのにも、リクライニングチェアに腰かけて二度寝しなおすのにも誰かの助けが必要になるよ。
  • 回復については気楽に考えてたけど、身体が元の生活に適応できるようになってきたって実感するためには、起き上がったり、ウォーキングしたり、呼吸するってことが大切だよ。
  • 想像してたよりも大変だった。でも、トイレに行くために一日中階段を上がったり、下がったりしなきゃならなかったよ。

 

元の生活に戻れるまでどのくらいかかりましたか?現在の体調はいかがですか?

 

  • 最初の手術の時は6ヶ月くらいかかったけど、2回目の時は4ヶ月くらいだった。
  • 3ヶ月だよ。今は問題ないけど、完全に元通りってわけにはいかないよ。身体の負荷はすごくがかかったからね。でも、普通の生活はできてるよ。
  • 6週間。今はサイコー!
  • 完全に回復するには1~2ヶ月で、フラフラしたり、疲れたりってことはもうないよ。
  • 手術を受けてから3週目だけど、いい日もあれば、悪い日もあるよ。回復を感じられるまでには、少なくともあと1、2ヶ月はかかると思うよ。
  • 良くなってきたって感じるまでには、6ヶ月くらい。完全に元通りになったって思ったのは1年後くらいだね。今はすごく調子がいいよ。誰も気づかないと思うけどね。僕はちょっと体が弱くて、少しペースが遅いんだけど、今は普通になったよ。
  • 手術を受けたのは2015年7月9日。2016年の1月頃にはほとんど元通りになっていたと思うけど、手術の一年前くらいのタフさには戻れないと思ってる。自分が結合組織疾患だってわかってからは、あらゆる活動をトーンダウンさせていったんだ。今はすごく調子がいいよ。冬の高い雪山でのスキーも再開できるようになったのは、何よりの回復の証だと思う。LDSのせいで不眠症があるから、定期的に疲れちゃうけどね。
  • はっきりとは覚えてないけど、胸骨がくっつくには時間がかかる。2014年の手術の後で不整脈が続いちゃって完全に元通りになったとはいえないんだけど、それ以外は問題ないよ。
  • 100%元通りになることはありえないよ。年を取れば、それだけ回復に時間がもかかるし、失うものも多くなるからね。
  • 手術によって変わるよね。例えば、自分が最後に受けた心臓手術の場合だけど、元の状態になるまで優に6ヶ月はかかったと思う。でも、正直な話、完全に元通りになったって思ったことは一度もないよ。体調に合わせて毎日を生きるしかないんだ。神様の思し召しに従うだけさ。最近は調子がいいけど、やっぱり休まなきゃならない日もある。自分の体の声に耳を澄ませて、疲れてたら休む。今は以前のように運動とかアルバイト、ボランティアをしたりとか、家族とか友人と一緒に時間を過ごしてる。愛情に溢れた環境にいるってことだよ。人生は素晴らしい。やっぱり何か信じられるものが必要だよ!
  • 完全に元通りになったって思えるまでには4ヶ月くらいかな。術後4週目で回復してきた感覚はあったけどね。そのくらいの時期に毎日飲んでいたタイレノール(痛み止め)をやめることができて、排便も普通の人と同じになった。今は手術から2年半経過して、いい感じ。完全復活!でも問題があって、胸骨が変に盛り上がっちゃって、バッグのストラップとかブラとかでヒリヒリするんだよね。それから時々だけど、筋肉がワイヤーみたいなのに引っかかっちゃうみたいで、急に痛みが出ることがある。すぐに治まるけどね。他には、右の肩甲骨の感覚が無くなっちゃった。前はこんなことはなかったのに。2016年の総会でDietz先生から、手術の時の頭の位置が悪くて、神経が損傷したんじゃないかって言われた。
  • 術後一週間で退院。術後一ヶ月で歩いても疲れなくなる。術後2ヶ月で肉体的な回復を感じられる。メンタルとか心理面の回復はだいたい1年くらいかかった。術後のうつとか死への恐怖とかはカウンセラーとかメンタルコーチに相談するのがいいと思う。
  • まだ回復途中だけど、きっと元通りになることはないと思う。そう思うことにしたんだ。
  • 元通りになるには丸々一年かかった。でも、その元通りって、手術前の状態とは違うんだけどね。

 

回復中に最も効果があったことは何ですか?

 

  • 家族とか友人からのサポート。
  • 休んで家族に助けてもらうこと。
  • 散歩かなあ。早く始めればそれだけ回復も早くなるよ。
  • 前向きになって、生きる意思を見せること。
  • 家で手伝ってくれる人を見つけること。
  • とにかく休んで、おいしいものを食べること。
  • 二匹の子犬と一緒にいたり、散歩させたり、音楽を聴いたりとか、在宅医療ね(これはもっと利用すればよかった)
  • 入院中については、1) 執刀医とか手術助手とかが病室に来てくれて、回復についてじっくり話をしてくれたこと 2) 配偶者に付き添ってもらうこと 3) ベッドから無理やり起こされて、歩いたり、イスに座ったりすること。
    退院後は、1) 回復するまで時間をかけて(8週間くらい)休職する 2) 休養中は家族と海でゆったりとした休暇を過ごす。これはすごく効果があった 3) 回復について執刀医と時間をかけて話し合うこと。
  • 術後数日から1週間は背筋を伸ばして眠ること。横向きで寝る最初の時期は枕を使って、肩を開いたままで、中に折りたたまないこと。枕は大事!
  • 寝ること。
  • 術後3週間の日中は、誰かを側において助けてもらわないとダメ。私の場合は、家族が仕事を休んでくれたからラッキーだった。
  • 痛みの管理ね。すごく大事。
  • ウォーキング、リハビリ、プロテインを摂る、睡眠、夫からの絶えることのない愛、援助、サポート
  • 自分の世話を焼いてくれて、励ましてくれる家族や友人
  • 家族や友人のサポート。手術とかトラウマ的なことを乗り越えるには、自分の味方を側においておくことが重要だよ。

 

心血管手術を複数回受けましたか?入院中や回復期に違いはありましたか?

 

  • 最初の手術は2000年で大動脈解離B型だった。術後は背中から身体の正面にかけて大きな傷ができたから、ものすごく痛かった。二回目の手術は待機手術で大動脈基部の置換手術。痛みはそれほどなかった。どっちの手術も、術後は5日間苦しんで、感情のコントロールができなかった。このせいで回復にも影響が出て、ICUでは錯乱状態だった。二回目の手術の後は、肺のあたりから血液を体の外に出さなきゃならなかったんだけど、これがとんでもなく痛かった。二度目の手術の後は、すごく眠りやすくて、平和な気分だった。自分の病室もあったし、全体的に痛みもそんなに出なかった。
  • 1998年には僧帽弁の置換、頚動脈バイパス手術、脊椎の固定をして、3本の鎖骨下動脈にステントを入れた。最初の開胸手術は17歳の時だけど、何がなんだかわからない状態で、つらくて恐ろしかった。頚動脈バイパス手術は非常に痛みが強かった。自分の頭の重さが1,000ポンドくらいあるように作られていたから、術後数時間はじっとしていなければならなかったから。鎖骨下動脈のステントは楽なもんだった。脊椎の固定は、ずっと起きている必要があったから、ずっと話しかけてもらっていた。でもとんでもなく痛かったんだ。
  • 複数回手術を受けた。最初の手術は上行大動脈の修復だった。僕の場合は、病院でも家でも回復が早かった。何を信じるかが重要だと思う。二度目の手術は下行大動脈の修復と置換だった。6週間ICUにいて、ほとんど座りっぱなし。家に帰る前には2週間リハビリをした。僕の場合、回復には時間がかかったんだ。正直に言うと、完全に回復するには1年以上かかるかもしれない。身体も他の人とは違うから、経過は簡単に予測できると思う。僕が受けた脳の手術は、全く痛みがなく、回復も最も早かった。二度目の開胸手術は入院2週間で、家での回復も一番早かった。手術に向けて、メンタル面、身体面での準備を怠らなかったからだと思う。
  • 弁の手術の6ヶ月前に腹部大動脈瘤の修復手術を受けたんだ。ものすごく痛かった。僕にとっての回復っていうのは、リハビリよりも、傷が治ることだったね。
  • 大動脈弁の手術は2005年で、僧帽弁の手術は2014年だった。自分の場合、僧帽弁の手術の後に注意が必要だった。身体から水を抜く注射は嫌いだった。すごく怖かったよ。
  • 手術を受けた病院が違うってことは、そこでの経験も違うってこと。
  • お医者さんとか看護師さん、リハビリの先生とかの期待に応えることは簡単だった。何を期待されているのかが分かっていたし、「ノー」と言っていいタイミングがわかっていたから。

 

大動脈解離の手術は待機手術、緊急手術のどちらでしたか?回復にどのような違いがありましたか?

 

  • 両方経験した。最初は緊急手術だった。すごく体調は良かったから、手術にもうまく耐えられて、いい具合に回復したよ。待機手術からの回復にはかなりの時間がかかった。合併症もあったし、入院期間は長かった。待機手術の方が回復は楽だと思うけど、手術中に何が起きるかで全てが決まるんだ。
  • 最初は緊急手術。若い頃だから、大昔ね。
  • 緊急手術の場合は回復にすごく時間がかかるから、待機手術の方が治りが早い
  • 待機手術と緊急手術を2回ずつ。緊急手術からの回復は大変だった。執刀医が荒っぽくみえたから。

 

事前に知っておきたかったことは何ですか?

 

  • 手術が終わって、問題なかったって話を聞いておきたかった。
  • 術後に痛みがどのくらい出るかは知りたかった。枕を抱いた状態で、笑ったり、咳したり、おしゃべりしたほうが楽だということも。競争じゃないんだから、たっぷり時間をかけるべき。医者の指示に従っていれば、だんだんよくなるよ。それから、痛み止めことはよく知っておいた方がいい。痛みを感じるまで薬を飲まずに待っていたらダメだと思う。痛みをなくすることの方がずっと時間がかかることだから。
  • 食事には気をつけて。食事とカロリーの両方が必要。
  • 手術後に何をすべきかってことだね。手術直後は喉からチューブがでていて、看護師さんと会話ができなかった。
  • 初回手術の後は仕事を辞めるように言われた。2回目、3回目ではそんなに言われないかもしれない。
  • ドレーンの管とかその後に残る傷跡について知りたかった。開胸手術の跡はきれいに消えたし、脚の瘢痕はかなりいい状態だけど、ドレーンの管が抜けた後は黒くて大きな傷跡が残った。見た時には慌ててしまった。
  • 手術の後はメンタルセラピストに相談したほうがいいですよ。手術によって身体には様々な変化が起きていて、そのせいでメンタルも直接的な影響を受けるから。
  • (特に緊急手術の後は)精神面での回復は身体面での回復と同じくらい時間がかかるということ。
  • 丸く収まるんじゃないかな。ネガティブなことだらけで、希望なんかほとんど見えないけどね。
  • うつと脳のモヤモヤのことを聞いておきたかった。僕の場合は1年間苦しんだ。記憶を留めておくことができなくて、もう二度と仕事できなくなるんじゃないかって恐怖を感じた。あれから5年以上過ぎて、やっぱり問題は残っているけど、思ったほどじゃないし、対処の仕方も学んだしね。

 

その他に何か伝えたいことはありますか?

 

  • 病院選びは医者選びと同じくらい重要ってこと。
  • 排卵周期。手術のストレスで狂って、46日になった。生理の始まりが手術当日の朝で、入院中はすごくストレスを感じた。これについては、誰も話してくれなかった。
  • 病院で一晩過ごすなら、何か楽しめるものを常に持っていった方がいいよ。
  • 手術前後のお祈りは安らぎを与えてくれる。もっと神父や牧師さんのサポートが必要だった。
  • 家族や友人、専門家、あるいは同じ問題を抱えた赤の他人とか、自分や自分が置かれた状況にとって最も有益な人であれば誰でもいいんだけど、そういう人たちからのサポートはとんでもなく重要だよ。

 

これから手術を受ける皆さんに伝えたいことはありますか?

 

  • 実際、選択肢ってないのよ。まな板の上の鯉になるしかないわ。でも情報は集めておかないとね。経験者に訊いてみるしかないんだけど、こわい話は聞いちゃダメよ。ずっと重い症状の人の話は参考にならないから。
  • 自分が選んだ主治医とか執刀医とは仲良くすることだね。自分を信じること、自分が欲するもののために戦うこと、ちゃんと計画を立てて、それに従うこと。もちろん、予想外のことが起きた場合は除くけどね。とにかく大事なのは、歩いて、歩いて、また歩くってこと。すごく効果があるんだ。確かに術後は気分が沈みがちだけど、歩くことで、血流が増えて、回復プロセスが加速するよ。
  • 手術はリスクもあるし、長時間になるかもしれないけど、身体には一番必要なことなんだよ。
  • ポジティブでいること、必要な情報は手に入れること、担当チームと話し合いをして、皆の意見が一致しているってことを確認すること。
  • とにかく手術を受けることよ。人生は美しくって、生きる価値があるものなのよ~
  • 忍耐だと思う。回復には時間もかかると思う。年齢次第だけど、身体の回復はかなり早い。毎日横になっていると、回復には3日はかかるよ。
  • 色々調べたり、同じ手術を受けた人と話すことが大事。
  • 上から目線で話す外科医じゃなくて、最終的に病気を理解しなければならないのは患者さんだということを分かっていて、細かいところまで質問に答えようとしてくれる先生を見つけることね。
  • 早め早めに対応することが大事だと思う。若ければ若いほど、回復は早まるから。
  • 知りたいことは全部質問する!
  • 自分自身と身体のことを理解しておくことだと思う。周りの人は、食事のこととか、歩けとか、呼吸のこととか、やりたくないことを色々言ってくると思う。それは、皆から関心を持ってもらえてるってことだし、皆、回復のことを考えてくれてるってことなんだ。回復に踏ん張らないとね。弱虫になっちゃダメだ!
  • あまり軽く考えないほうが良い。大きな手術になるから。でも、同時に信頼できる先生に任せてるってことも忘れちゃだめだ。きっとうまくいくから。
  • じっくり時間をかけて、チームから得られる情報は入手しておくこと。
  • 実績のある医療機関で、経験豊富な外科医を見つけること。準備しなければならないことをきちんと知っておく。あなたと同じ病気や飲んでいる薬に詳しい親戚を見つけておくこと。
  • 自分を信じて、納得するまで質問する。くだらない質問なんてないの。担当医とうまくいかないんなら、他の人とつながっておくことね。でも、担当医にもあなたの考えていることをわかってもらうようにしてね。
  • あなたは最高の担当医と外科医に恵まれているんだから、心配いらないわ。前向きにね。
  • 全部神様におまかせすることね(上で言うのを忘れていたんだけど、いつもお医者様と看護師さんに祈りを捧げています)。後は回復することだけに集中すればいいって思えるように、できる限りの手術準備を進めること。思いつく限りの質問をして、安心して手術を迎えること。支えてくれる制度も必要ね。
  • 体調を万全にして手術に臨むこと。できるだけ早くベッドから起き上がって動くこと。素晴らしい病院で、経験を積んだ外科医の手術を受けること。
  • 1) 可能なら長期間休職する(8週間以上)2) 雇用主に深刻な手術であることを伝える 3) 一緒にいてもらえる家族や親友を探す(特に術後数日)4) 自分の世話をしてくれる、配偶者や家族、友人を用意しておく(術後管理は周りの人にとっても負担になります)。5) 術後のうつや不安に備える。術後にメンタルの不調が生じることは正常ではありますが、やはり、苦しいものです。気分を紛らわすために、面白い本や友人、家族を見つけておきましょう。可能ならば、中強度で楽しめるような活動を計画しましょう。6) Caring Bridge Fundraiserに参加するため、友人や家族をリクルートすることを検討している方もいらっしゃるかもしれません。Caring Bridge Fundraiserは、自分で資金集めができるウェブサイトです。私達家族の友人にあたる人物が私達のために始めてくれました。アクセスして非常に驚いたのですが、私達家族には8,000ドルほど集まっており、交通費、休暇費用などに使いました。
  • 家での療養を考えて着心地のいい服を買う。単語探しゲームとかテレビゲームをして脳を刺激する。テレビじゃ認知機能は向上しないから。
  • 若いほど回復は早まるよ。
  • 食事の準備とかベッドから起き上がるのを手伝ってくれたり、車の運転、皿洗い、掃除とか、デカフェコーヒーを淹れてくれるヘルパーさんみたいな人を雇う。
  • 手術を受けるってなるとイライラしちゃうんだけど、麻酔の前にくれる薬を飲むと気分が楽になるよ。
  • 体を身体的に整えるってこと。術後に当てにならない人とかモノをシャットアウトできるようにすること。自分の味方になってくれる人とかモノは必要(時々の愛のムチとか尻叩きは除く)
  • 執刀医に直接質問することを恐れないこと。面倒くさい患者だと思われてもね。
  • 怖いと思うことは当然だよ。こんな大手術の後には、気分が沈んじゃうよ。泣きたくなったら、泣けば良いんだよ。記憶がめちゃくちゃになっても、きっと元通りになるよ。入院に必要なものは、ローブ、パジャマ数着、ウォーキングシューズ(病院の廊下を何度も歩かされることになるから)、ボタンで留めるシャツ(帰宅時に着用)、つけ心地の良いフロントホックのスポーツブラ(女性向け)、ドライシャンプー、リップスティック、のど飴(病院は乾燥するから)
  • 怖いだろうけど、乗り越えられるよ。信念をもって、手術とかLDSとかに関するあらゆることを自分の肥やしにしていくことだね。

 

出典:

https://static1.squarespace.com/static/5be355670dbda39d591a525e/t/5d0fd53ea71ad0000109c690/1561318721293/CVS+Resource_Adult_May+2019.pdf

 

The Loeys-Dietz Syndrome Foundation, a division of The Marfan Foundation, did not participate in the translation of these materials and does not in any way endorse them. If you are interested in this topic, please refer to our website, loeysdietz.org.

The Marfan Foundation の一部局である The Loeys-Dietz Syndrome Foundation は、当翻訳には関与しておらず、翻訳内容に関してはいかなる承認も行っておりません。このトピックに興味をお持ちの方は、 loeysdietz.org にアクセスしてください。