海外マルファン情報

米国マルファン症候群患者団体The Marfan Foundationからの情報を中心に、マルファン症候群や関連疾患についての海外情報を翻訳して発信します。

強さと共に

2021年11月12日

 

タミー・アスプルンド

 

私がロイス・ディーツ症候群1型と診断されたのは、2020年3月、53歳の時です。しかし物語は、入園準備のため息子を小児科に連れて行った2000年から始まります。「カチカチ」という心音を聴いた小児科の医師から、循環器科へと紹介されました。一通りの検査の結果、息子は大動脈基部の拡張と大動脈二尖弁であることがわかり、医師からは、心臓病家系かどうか尋ねられました。

 

父が他界したのは32歳の時で、理由は「心臓の病気」とのことでした。30歳で亡くなった父の母親の死因も同じく「心臓の病気」でした。入手できた父のカルテからわかったことは、父も同じく大動脈二尖弁で動脈瘤があったということです。父の担当医が残した書き込みはいずれも、私達子供に関しては「心配」無用であることを指し示していました。

 

それにも関わらず、父と同じ大動脈基部の拡張が見つかった私は循環器内科に紹介されました。父のカルテにあった情報に基づいて遺伝専門医を受診したところ、息子と私は、別々の循環器内科医に管理してもらうようにとのこと。言われた通り、20年間にわたって管理が続きました。次の画像検査までの期間、大きな変化があった時のみβ遮断薬を飲むこともありましたが、10年が経過し、私と息子の画像検査は2~5年間隔でいいことになりました。担当医からは、大動脈径が5.0cmに到達するまでは、外科手術の必要はないと言われました。コンタクトスポーツや自分の体重よりも重いものを持ち上げることは控えるよう言われていましたが、他に制限を課されたことはなく、ライフスタイルを変えるようなお願いをされたこともありませんでした。

 

その後の2019年11月、26歳の息子は、脳動脈瘤から生還することができました。ステント留置後、全遺伝子を対象とした遺伝子パネル検査でロイス・ディーツ症候群1型であることが判明。すぐに担当の循環器内科医から、自己弁温存大動脈置換手術を受けることを勧められました。手術は2020年3月に行われました。その2日前にメイヨー・クリニックへと飛行機で移動した私は遺伝子検査を受けました。

 

遺伝子検査の結果(息子と同じロイス・ディーツ症候群1型)が出たことで、担当の循環器内科医からすぐに自己弁温存大動脈置換手術を勧められました。手術は2020年の6月でした。

 

振り返ってみると、LDSの診断が付くまでの間、私の身には様々な健康問題が降りかかり、こうした歳月を苦しみながら乗り越えてきました。私が経験した健康問題の数々は、なにかに関連していると感じずにはいられなかったものの、説明をしてくれる医師はこれまで誰もいませんでした。全く思いもよらない原因ではありましたが、ある意味、報われた気持ちになりました。

 

LDSについて学ぶべきことは山ほどあります。私の暮らす地域では、ロイス・ディーツ症候群という病名を耳にしたことのある医師でさえ見つけ出すことは難しく、LDS患者の治療経験のある医師となれば言わずもがなです。そのため、The Loeys-Dietz Syndrome FoundationやLDS患者の家族が作ったFacebookページには、大変感謝しています。こうしたグループは、思いやりのある人々であふれており、知っていることを共有してくれたり、サポートや励ましを与えてくれたりします。本当に素晴らしい医療チームにも恵まれています。今ではどういったことに注意すべきかもわかっていますし、将来については非常に楽観的に考えています。

 

 

出典:

www.loeysdietz.org

 

The Loeys-Dietz Syndrome Foundation, a division of The Marfan Foundation, did not participate in the translation of these materials and does not in any way endorse them. If you are interested in this topic, please refer to our website, loeysdietz.org.

The Marfan Foundation の一部局である The Loeys-Dietz Syndrome Foundation は、当翻訳には関与しておらず、翻訳内容に関してはいかなる承認も行っておりません。このトピックに興味をお持ちの方は、 loeysdietz.org にアクセスしてください。