海外マルファン情報

米国マルファン症候群患者団体The Marfan Foundationからの情報を中心に、マルファン症候群や関連疾患についての海外情報を翻訳して発信します。

ブログ

兄がつなぐ命

2024年2月9日 カレン・ブルックス 謎の診断 未知との戦い 喪失と学び 調査と希望 意義ある目的 私は生まれた時にマルファン症候群と診断されました。突然変異による発症だった父から、4人きょうだいのうちの2人がマルファンを受け継ぎました。今年の夏で82歳…

多世代マルファン家系のメリット

2023年12月12日 The Marfan Foundation デブラ・シーンさんは、娘、患者、母親、祖母の立場でマルファン症候群と向き合ってきました。マルファン症候群を知るきっかけとなったのは、年を重ねた父親の大動脈に見つかった複数の病変でした。これにより父親にマ…

太陽が昇るまで ― A型解離からの生還

2023年9月23日 The Marfan Foundation 「人生が一変したあの瞬間…」 2020年7月31日。僕の人生が一瞬で変わってしまった日。早めの夕食を済ませて帰宅すると、左腕が突然感覚を失った。家はひんやりとしていたのに、汗が吹き出してくる。左腕の感覚はない。妹…

リンカーンの希望

2022年11月21日 生まれたばかりのリンカーンには、ピエール・ロバン・シーケンス(小顎症、口蓋裂、舌下垂)の特徴がみられました。さらに、両目は斜視で、透き通るような柔らかい皮膚、足の指は長く、親指は内側を向いていました。口蓋裂があったことから遺…

シングルマザーの絆

2022年8月11日 私は46歳のシングルマザーで、20歳になる一人息子のジェイコブがいます。成長する過程で常に問題を抱えてきました(とはいえ、自分自身に問題があると思ったことはありません)。二分口蓋垂に可動域の広い関節、漏斗胸、心房細動と上室性頻拍…

強さと共に

2021年11月12日 タミー・アスプルンド 私がロイス・ディーツ症候群1型と診断されたのは、2020年3月、53歳の時です。しかし物語は、入園準備のため息子を小児科に連れて行った2000年から始まります。「カチカチ」という心音を聴いた小児科の医師から、循環器…

スプーン理論とオンラインコミュニティへの頌歌

2022年12月8日 マディソン・モーリン 慢性疾患によって障害を負った人々は、インターネット上のコミュニティを求め、病気の理解を広める。誰に知られることもなく、心の裡に秘められた経験は、ソーシャルメディアの力で現実世界へと浮上する。 2003年、当時…

絆を強さに

2021年11月30日 2020年5月、コロナ禍で世界中が外出制限の中、ニューヨーク州クイーンズに住むユリアと夫は、幸せを噛みしめながら初出産に向けた準備を進めていました。ユリアは学生で、母子ともに経過はすこぶる良好に見えました。 妊娠38週目。事態は一変…

幸運な女神

私のエピソードは、安っぽいホラー映画みたいなスタートですが、徐々にサイエンス・ドキュメンタリーへと変貌します。 2013年の13日の金曜日のこと。会社のクリスマスパーティーに参加していた私は楽しい時間を過ごしていました。キャンディケインストライプ…

奇跡と信念 ― 夫の生命を救ったもの

今月はロイス・ディーツ症候群啓発月間ということですので、私の夫であるクレイグのエピソードをご紹介します。皆さんに興味を持っていただける内容だと思っています。なぜなら、長身で手足と指が長く、側弯症と動脈瘤があることを除けば、夫にはロイス・デ…

彼のハートに寄り添って

2022年1月13日 Monica Newnam このお話は、ほぼ私の夫に関するものです。マルファン患者は夫ですが、その影響は夫だけにとどまりません。 マルファン症候群のことを初めて知ったのは2012年のことでした。当時、若くてハンサムなパイロットとお付き合いを始め…

手術からの生還

2020年10月22日 Elijah Williams 皆さん、これが私です。上半身の傷跡はマルファン症候群との戦いを繰り広げてきた栄光の証です。 25歳という年齢で幾度となく手術を経験してきました。 Fyfe医師には子供の頃から常に心臓と大動脈の太さを診てもらってきまし…

妊娠とマルファン症候群:Russo医師による最新情報

はじめに マルファン女性の出産が身体や健康に及ぼす影響は? マルファン女性の妊娠はハイリスクか? 妊娠中の大動脈解離リスク因子 妊娠前にすべきこと・受診すべき診療科 妊娠中に避けるべき薬 妊娠中に服用してもよい薬 帝王切開を選択すべきか 授乳リス…

夫婦の絆 病気を乗り越え支援へつなげる

2021年8月18日 Mehmet Tascioglu 2010年の清々しいある日のこと。パム・モウルトラップさんは病院の受付で書類の記入を済ませると、献身的な最愛の夫であるゲイリー氏とともに診察室へと向かいました。膝の手術を控えていた彼女は、術前に主治医の診察を受け…

コストコで命を救ったお節介

2021年2月9日 Janna Klostermann 「お隣はあなたのお母さん?だったら検査受けなきゃダメよ」 カナダのピーターバラにあるコストコで、身長173cmの母を見下ろすようにレジに並んでいた192cmの私は、ある女性に声をかけられました。彼女は、私の足の先から頭…

コナーに導かれて

2021年5月13日 Bridget Porter (Metz) はじめに ニックの使命 希望の光に 将来の目標 はじめに 2020年12月3日の午前中のこと。カリフォルニア州に住む16歳のニック・メッツは、同世代の若者たちと同様、自宅でオンライン授業を受けていました。そんな彼を無…

大動脈手術の前に知っておきたかった5つのこと

2020年12月1日 Dominga Noe はじめに 快適さを犠牲にしない 味覚が変わった?! とにかく忍耐 ニューノーマル 遠慮せずに助けを求める はじめに 私が大動脈手術を受けたのは2014年夏ですが、当時は訊きたいことはそれほどありませんでした。なるべく早く終わ…

マルファン症候群に対する大動脈手術の進歩

2020年8月20日 Lars G. Svensson, MD, PhD はじめに コンポジットグラフト術による転帰改善 自己弁温存大動脈基部置換手術はremodeling法からre-implantation法へ 健康で長生きは可能 はじめに 私がマルファン症候群に興味を持ったきっかけは、かなり昔にな…

栄養・体重・QOLについて ~パート3~

2016年4月25日Hien Nguyen-Le 先日このマルファンブログで、Alix McLean Jenningsさんが栄養士の先生と協力して、9歳になるマルファン症候群の娘Cassieちゃんの体重を健康的なレベルまで増加させたお話をご紹介しました。前回のブログでは、Aixさんと栄養士…

栄養・体重・QOLについて ~パート2~

2016年4月7日Hien Nguyen-Le 先日このマルファンブログで、Alix McLean Jenningsさんが栄養士の先生と協力して、9歳になるマルファン症候群の娘Cassieちゃんの体重を健康的なレベルまで増加させたお話をご紹介しました。今回のブログでは、Aixさんと栄養士の…

栄養・体重・QOLについて ~パート1~

2016年5月22日Alix McLean Jennings 私達マルファン症候群の家族にも関わりの深いQOL(生活の質)の問題に対するThe Marfan Foundationの取り組みには、とてもワクワクしています。9歳になるマルファンの娘の母親として、現在そして将来の娘のQOLについて日…

マルファン症候群の診断を受けて:不安からの解放

2019年2月15日 Ken.M 昨年、40歳の大台を迎えました。あっという間だったと感じています。成長、遊び、テレビを見る、通学する―振り返ってみると、ほんのわずかな歳月だったように思います。 学校生活 適応する 診断と安堵 早期の遺伝子検査を 学校生活 学校…

マルファン体型で生きるということ

2017年8月26日 Barbara Miller どんなに食べても太れない―どんなにプロテインシェイクを飲んでも、胃がむかつくだけ―10代前半ではさほどではありませんでしたが、思春期に突入すると言葉によるいじめが激しくなりました。健康上の問題はありませんでした。で…

マルファン地球旅

2018年10月22日Dawn Knowles 私は常に新しい場所を散策することを夢見てきました。旅の空想の中では、私の身体は丈夫で自由に動き、やりたいことは何でもできるのです。でもこれは現実とは異なります。 私にとっての現実は、マルファン症候群による不自由と…

CRISPRとマルファン症候群

遺伝子編集技術CRISPRのことを聞いたことがありますか?将来、CRISPRによってマルファン症候群を治療したり、完治させることさえできるのでは?と考えたことはありませんか?多くのThe Marfan Foundationの会員の方からCRISPRについての質問が寄せられていま…

きっとあなたを忘れない―グリーフとの新たな向き合い方

2018年4月25日 Dominga Noe 私はすごくポジティブな人間―特にマルファン症候群に関してはそうありたいと思っています。この考えにたどり着くまでには長い時間がかかりました。毎日が幸せというわけではありません。でもトータルで見れば、マルファン症候群は…

マイ マルファン ストーリー:ケーシー・ランフィア

2018年2月27日Kacey Lamphier 2月は心臓月間ということで、私にとっては特別重要な月です。私は30年間マルファン症候群と共に生きてきましたが、診断を受けたのは22年前です。私は日々マルファン症候群についての自らの体験や知識を広げる活動をしています。…

思春期の怒りと自覚:自分と身体を理解するために

2019年2月11日 Sarah E. McMillan はじめに 思春期と慢性疾患 自覚 アイデンティティとマルファン 受容とマルファン 医療とQOL はじめに 自分の病気のことを話題にしたくなくて、新しい友達の輪に入って、少し(orメチャクチャ)喋り過ぎたことはありません…

マルファン症候群:息子のアスリート人生を変えたもの

2018年2月20日Rita McCrerey マルファン症候群やその関連疾患は、アスリート、特に一連の典型的な所見がない場合では、見落とされることがあります。 息子のニック・ボーゲルのお話をさせてください。サンディエゴ育ち、6.9フィート(2.10メートル)で高校、…

地上に降りた天使たち

2018年5月7日 Auburn Ponder Anderson 国際看護師週間ということですので、さほど注目を浴びることはなくとも、身を粉にして働く素晴らしい看護師の皆さんに敬意を表したいと思います。その中には、1989年に夫のテッド・ポンダーがマルファン症候群で手術を…