海外マルファン情報

米国マルファン症候群患者団体The Marfan Foundationからの情報を中心に、マルファン症候群や関連疾患についての海外情報を翻訳して発信します。

多世代マルファン家系のメリット

2023年12月12日

 

The Marfan Foundation

 

デブラ・シーンさんは、娘、患者、母親、祖母の立場でマルファン症候群と向き合ってきました。マルファン症候群を知るきっかけとなったのは、年を重ねた父親の大動脈に見つかった複数の病変でした。これにより父親にマルファンの診断が付き、彼女にも同じ病気が見つかったことで、予防的な大動脈基部の置換手術へとつながったのです。

 

マルファン家系のデブラさんは、夫のダン氏との間に4人の男の子をもうけ、夫婦で5人の孫の養育にも関わっています。いずれの子もマルファン症候群を受け継ぎましたが、夫妻は子どもたちが歩む人生の各ステージの道しるべとなっています。その中には、幼少期から成人期へ治療転換という難題も含まれます。

 

「マルファンクリニックに通い始めたのは、1993年でした。当時、長男のマークは10歳、双子のマイクとカイルは8歳、末っ子のポールは6歳で、病院の受診日はみんな同じ日にしました」「子どもたち全員が心エコー検査を受けて、それぞれの結果は家族として受け取りました。検査結果は共有すべき、というのが私と夫の考えだったからです。そうすれば、検査結果がどうあろうと、お互いに支え合えると思って...病院の後は家族でピザパーティをして、一日を振り返って一緒の時間を過ごしました。」

 

「今では息子たちも父親になって、自分の子どもたちを自分が通ったクリニックへと通わせています」「マルファンには大変なこともあります。でもその一方で、家族の結びつきを強くしてくれたことも確かです。私たち一家は四世代にわたって、ウィスコンシン小児病院のスタッフの皆さんとともに成長してきました。およそ30年間私たち一家の治療に関わってくれたスタッフの皆さんを家族の一員だと思っていますし、これからもずっとお世話になるつもりです。」

 

マルファン症候群のような同一の疾患を抱えた家系において、何世代にもわたって治療を継続することは、ウェルビーイングにポジティブな影響を与えます。既往歴や経験が共有されることで、医療者はより効率的かつ効果的に個々に応じた治療を行うことが可能となり、家族間のより深い理解とサポート体制を生み出すことができるのです。

 

デブラさんの家系が幸運といえるのは、四世代を通じて継続した治療を受けられている点です。彼らは、ウィスコンシン小児病院のマルファン症候群および類縁結合組織疾患プログラムのもと、同じ医療者らの治療を受けています。このプログラムは、循環器内科医、遺伝専門医、そして、内科医学および小児科学の合同プログラムでトレーニングを受けた専門医らで構成され、遺伝性大動脈疾患を持つあらゆる世代のご家族向けの治療を提供しています。

 

ハーマ・ハート・インスティチュートで高度実践看護師としてデブラさん一家の治療に関わるリンゼイ・カズマークさんは、多世代にわたる患者さんの治療に携わることは、患者さんやご家族の病態の複雑さを学ぶ特別な機会を与えてくれる、と語ります。

 

「デブラさんご一家のことを知り、皆さんの治療に関わることにやりがいを感じています」「ご一家の来院をうれしく思いますし、皆さんの治療に関わる機会を楽しみにしているんです。」

 

出典:

marfan.org

 

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