海外マルファン情報

米国マルファン症候群患者団体The Marfan Foundationからの情報を中心に、マルファン症候群や関連疾患についての海外情報を翻訳して発信します。

通院再開の時期と方法について

The Marfan Foundationは、専門家委員会(PAB)の協力の下、COVID-19に関するニュースを継続的に監視し、マルファンコミュニティに最新の情報を提供したいと考えています。この度メディケア&メディケイドサービスセンター(CMS)から対面診療の再開に関する指針が発表されました。通院の再開について、不安を感じておられる皆様にその一部をお伝えしたいと思います。

 

現在、多くの地域において、COVID-19の罹患率が低い、あるいは比較的低い状態となり安定しています。そのため、一部の医療施設では、緊急性のないCOVID-19以外の治療を必要とする患者さんのために、一部の手術や処置、慢性疾患のケアを再開し、予防的なケアの提供を開始しています。現在中断されている医療ケアについて継続的なニーズがあることは把握しています。

 

以下は、お住まいの地域で、必要に応じて対面診療の再開ができるかどうかを判断するための指針です。これらの指針はお住まい地域に基づくものであり、一般的に適用されるものではないことをご承知おきください。

 

  • 医療チームと明確なコミュニケーションを維持できるようにしましょう。今は混乱している時期です。複雑な慢性疾患をお持ちで、管理が必要となる多くの方は、すべての選択肢について医師と話し合い、最新の情報を得られるよう質問してください。

  • 直接会うことができない場合でも、医療チームと連絡を取り合うようにしましょう。自分の健康状態に変化があったと感じた場合、診察を受けるべき時期を決めるのは気が引けるものです。患者と連絡を取り合うべく、多くの医師がオンライン診療に取り組んでいます。心臓や血管の処置が必要であれば、気軽に医療チームに電話し、健康状態の変化について問い合わせ、治療にどのように影響するかを確認してください。このことは、以前は無症状あるいは軽度の症状だったが、COVID-19の発生以降は、症状が増えてきた方には特に当てはまります。

  • 通院の適切な再開時期を決める際には、以下のような質問をしてください。

    ・非COVID患者の立ち入り許可エリアが指定されているか?このエリアに入る前には症状のスクリーニングが行われているか?

    ・待合室での待ち時間を最小限に抑えるために、どのような方針がとられているか?椅子の間隔は最低でも6フィート(約183センチ)以上あり、同時に待合室に入ることができる人数に制限があるか?

    ・医療従事者に対するソーシャルディスタンスの指針はどのようになっているか?これは患者の通院および/または滞在にどのような影響を与えるか?

    ・待機手術に関する指針はどのようになっているか?この1週間で指針に変化があったか?

    ・現在の手術患者および手術予定患者の受け入れ人数はどのくらいか?来週あるいは翌週には変化が予想されるか?

    ・現在の症状に基づけば、最大限の効果が得られる、適切な治療を受られる現実的な予定はどうなっているか?

    ・家族や付添人は、通院/処置に同行可能か?

    コロナウイルスへの暴露を防ぐために、外来で処置を受けることが可能か?

    ・他の患者とどのような情報や情報源を共有しているか?

    ・医療従事者のための個人用保護具(PPE)が十分に用意されているか?

    ・州や地域の保健局の推奨事項は、治療時期や治療内容にどのように影響するか?

 

  • 心臓手術が「緊急」または「急を要する」と判断された場合は、待つことなく適切な治療を受けてください。緊急に手術が必要と判断された場合(例えば、重度の変性性僧帽弁逆流)は、予定通りに医療施設で治療を受けるべきです。医療施設では、COVID-19によるリスクを軽減するため、トリアージに従い治療するためのプロトコルが整備されています。不確かな状況ではありますが、長期的な健康が最も重要であり、治療を遅らせるべきではありません。

 

  • 緊急事態(胸痛や激しい息切れなど)が発生した場合は、911に電話して救急医療を受けるか、最寄りの病院の救急外来を受診してください。待機的医療処置に関するガイドラインは、医療上の緊急事態には適用されません。健康上の緊急事態が発生した場合は、最寄りの救急部門で治療を受けることが重要です。必要な時にすぐに治療を受けない場合、症状が悪化し、長期的な健康に影響を及ぼす恐れがあります。

 

  • 手術を予定している場合は、治療プロトコルに術前評価や手術につながる多少の変更があっても驚かないようにしてください。COVID-19の影響により、多くの医療施設では、患者さんの術前評価、必要ならばそれに伴う手術、そして回復について、プロトコルを変更しています。これは、ナースプラクティショナー、医師アシスタントなどの医療チームの他のメンバーが、患者さんの検査やケアにおいてより積極的な役割を担うことを意味していると考えられます。これらの変更は、より完全な医療ケアを提供するためのものです。治療方針に疑問や不安があれば、常に医療チームとコミュニケーションをとるようにしてください。

 

出典:

www.marfan.org

 

The Marfan Foundation did not participate in the translation of these materials and does not in any way endorse them. If you are interested in this topic, please refer to our website, Marfan.org, for materials approved by our Professional Advisory Board.

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