海外マルファン情報

米国マルファン症候群患者団体The Marfan Foundationからの情報を中心に、マルファン症候群や関連疾患についての海外情報を翻訳して発信します。

【2020/03/16更新】新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)と遺伝的大動脈疾患に関する注意喚起

 

はじめに

 

The Marfan Foundation(TMF)は専門家委員会と連携してCOVID-19についてのニュースを継続的に監視し、最新情報を提供しています。我々は米国疾病対策センター(CDC)が発表した勧告を再度確認し、マルファン症候群、血管型エーラス・ダンロス症候群、ロイス・ディーツ症候群等のコミュニティおよびその他の遺伝性大動脈疾患の方向けに具体的な追加情報をお知らせします。

 

3月10日、CDC新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクのある方向けの新たなガイドラインを発表しました。それを受けTMFの専門家委員会では、上記疾患の患者さんで、より影響を受けやすいと考えられる方の絞り込みを行いました。個人差があるため、上記疾患の方全てに同様のリスクがあるということではありません。

 

専門家委員会の見解は以下の通りです。

 

重症化リスクの高い患者は?


遺伝性大動脈疾患があり、重篤な肺疾患をお持ちの方は高リスクと考えられますので、感染予防のために最大限の対策をとってください。

 

以下のような慢性疾患の方が対象となります。

 

  • 拘束性肺疾患

  • 肺気腫

  • 重症喘息(薬を常用している方や継続的に入院している方)

  • 慢性塞栓性肺疾患(COPD

  • 呼吸不全

  • 再発性気胸

 

上記で説明したように、遺伝性大動脈疾患で高リスクの方は、インフルエンザワクチンおよび肺炎ワクチン(肺炎球菌多糖体ワクチン、PPSV[Pneumovax23、PPV-23としても知られる])を接種し、慢性疾患の方向けに新たに発表されたCDCガイドラインにある全ての予防策に従ってください。

 
遺伝性大動脈疾患をお持ちの方で、以下の心血管疾患の診断を受けている方も高リスクとなります。

 

  • 重度の弁膜症(自覚症状があり、薬を服用している方)

  • 心不全

  • 心臓(心室)機能障害(自覚症状があり、頻繁なモニタリングが必要な方や薬を常用している方)

  • 高血圧

  • ACTA2患者のうち、アルギニン179を破壊するACTA2変異を有する、小児および若年成人(平滑筋機能不全症候群)


血管結合組織疾患をお持ちで、以下のような疾患に罹患されている方も、新型コロナウイルスに感染した際に重症化するリスクが高くなる可能性があります。

 

 

自覚される慢性疾患をお持ちの方は、新型コロナウイルスに感染した場合に重症化リスクが高くなるかどうかをかかりつけ医に確認してください。

 

重症化リスクが高いとは考えられない患者は?

 

遺伝性大動脈疾患で、上記疾患がなく、単独の大動脈拡張あるいは動脈瘤がある場合は、一般集団よりも高リスクとは考えられません。

 

  • 開胸手術により大動脈基部の置換(自己弁温存術、機械弁あるいはブタ生体弁による置換)を受け、重度の弁逆流および重度の心不全がなく、術後6ヶ月以上経過し完全に回復している場合には、リスクは一般集団と同等と考えられます。

  • 慢性的な解離があるが、安定しており(1年超)、臓器(肝臓、腎臓、心臓)不全がない場合には、リスクは一般集団と同等と考えられます。最近、慢性的な解離を生じた方では、高リスクと考えてください。

 

その他の慢性疾患をお持ちの方は、新型コロナウイルスに感染した場合に重症化リスクが高くなるかどうかをかかりつけ医に確認してください。

 

薬について

 

ACE阻害薬およびARB(アンギオテンシン受容体遮断薬 例:ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン)を服用の場合、COVID-19への感染により、感染や発病のリスクが高まる可能性があるとの直近の報告がありました。COVID-19に暴露した場合、ARBが害となるのか、保護的な作用をもつのかについては、現在のところ、分かっていません。ですが、遺伝性血管疾患の方では、ARBの服用を急に止めることで、血圧が上昇し、急性の動脈解離を発症する可能性があります。そのため、ARBを定期的に服用している方は、中断せずに継続して服用することを強く推奨します。

 

予防策

 

上記で説明したように、遺伝性大動脈疾患で高リスクの方は、インフルエンザワクチンおよび肺炎ワクチン(肺炎球菌多糖体ワクチン、PPSV[Pneumovax23、PPV-23としても知られる])を接種し、慢性疾患の方向けに新たに発表されたCDCガイドラインにある全ての予防策に従ってください。

 

TMFの専門家委員会は、遺伝性大動脈疾患の方は症状が出た場合には直ちにかかりつけ医に報告し、迅速な検査や治療を受けることを推奨しています。

 

インフルエンザ、新型コロナウイルス(COVID-19)、その他の重篤な感染性呼吸器疾患の治療法

 

  • 適切な検査ができる医療施設を探す。

  • 呼吸器疾患の治療に抗菌薬を用いる必要があり、代替薬がある場合には、一般的に使われる抗菌薬であるフルオロキノロン系を避ける。

    ただし、感染症専門医の指示がある場合を除く。マルファン症候群やその他の遺伝性大動脈疾患の方のように、大動脈瘤や大動脈解離を伴う、一部の遺伝性疾患の方は使用すべきではありません。

    フルオロキノロン系抗菌薬の例:
    アベロックス、シプロ、ファクティブ、レバキン、オフロキサシン

  • 高血圧の人向けの風邪薬を選ぶ。

    風邪薬の中には鼻炎薬を含まないものもありますが、デキストロメトルファンのような強力な薬剤を含むものもあり、多量に服用すると危険な薬もあります。服用指示をしっかりと守りましょう。

  • 市販の鼻炎薬や、鼻炎薬が含まれる市販の総合感冒薬は飲まない。

    鼻炎薬の例:
    プソイドエフェドリンエフェドリン、フェニレフリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン

  • 発熱、喉の痛み、頭痛、体の痛みなどにはアセトアミノフェンなどの痛み止めを飲む。

  • 鼻詰まりには生理食塩水の鼻腔スプレーを用いてもよい。

    副鼻腔の洗浄に役立ちます。

  • 喉を潤す。

    喉の痛みやイガイガを取るには、塩の入ったお湯でうがいしたり、レモンやハチミツ入りのお湯を飲みましょう。

  • 水分を多めに摂る。

    水やジュース、お茶やスープを飲むことで、痰や粘液を肺から除去できます。

  • 湿度を高くする。

    低音ミスト式の加湿器や噴霧器で空気を潤すことで、鼻詰まりや咳を和らげることができます。

  • 十分な休息を取る。

    気分が優れないときには、のんびりと過ごしましょう。

 

出典:

www.marfan.org

 

The Marfan Foundation did not participate in the translation of these materials and does not in any way endorse them. If you are interested in this topic, please refer to our website, Marfan.org, for materials approved by our Professional Advisory Board.

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